猫の保険の基礎的な事
日本では少子化が進んでいる事もあって15歳未満の子供の数よりもペットの数の方が多いという調査結果があり、それに伴ってペット保険の存在も徐々に広まってきています。
そんな現在の状況や保険の基礎的なポイント、知っておいた方が良い情報をまとめてみました。
猫の保険を検討し始めた方の疑問にお答えします。
ペット保険の加入率は?
人間の生命保険の加入率は約80%と言われています。
これは世界的に見てもかなり高い方で日本は保険好きな国と言えますが、ペットはどうでしょうか?
なかなか浸透していない状況でその原因などを見ていきましょう。
ペット保険の発祥は?
そもそもペット保険の発祥の地はイギリスと言われています。
イギリスでの保険加入率は20%程と言われており、最も加入率が高いとされるスウェーデンでは50%を超えているそうです。
キャットフードに関してもそうですが日本はヨーロッパやアメリカ等のペット先進国と比べると大分遅れている状況です。
ただ日本のペット市場は今急速に伸びている状況なので、これから海外の国に追いついていく事が予想されています。
日本の保険加入率は?
では日本の保険加入率を見てみるとなんと全体の6%程との調査結果が出ています。
しかもこれはペット保険全体の加入率で犬などを抜いた猫単体での加入率を見ると4%と更に低くなります。
日本は保険好きな国のはずなのに。。。
ペットを飼っているオーナーさんに実施したアンケート調査では、「保険に関心がある」と回答した方が70%以上、「加入を検討したい」と回答した方が50%以上との結果も出ておりこれからなのかなと言う状況です。
なぜ日本の加入率が低いのか?
なぜこれほど海外と比べ加入率が低いのか、その理由は
- 保険の存在自体がまだまだ認知されていない
- ペットの治療費が高額化している事を知らない
- どの様な保険を選べばいいかわからない
と言うところだと思われます。
保険請求の実態とは?
人間の保険もそうですが形がないものですし、毎日日常的に使う物でもないのでイマイチ「良さ」を実感できないのが保険ですよね。
ここからは実際に保険に加入してからどのように使われているのかをお伝えしていきたいと思います。
最も保険請求が多いのは?
まず最も保険金請求される割合が多いのは「通院」の補償です。
業界最大手のアニコムが公開したデータでは2016年の保険金請求件数の92%が通院による請求だったと発表されています。
私は正直、この調査結果を見るまでは「ここまで請求内容が偏っている」とは思っていませんでした。
やはり改めて通院の補償は重要だなと思いました。
入院・手術の頻度とは?
請求割合の残りは入院による請求が6%、手術による請求が2%と言う結果でした。
これだけ偏っているのは人間と違いにゃんこにとっては、家族と離れて慣れない病院に入院する事や、麻酔などのリスクを伴う手術が医療現場では最終手段として行われているからだと思います。
請求頻度は少ない入院や手術ですが、かかる治療費は当然通院よりも高額になるケースがほとんどですから「備えなくていい」と言う話ではありません。
免責とは?
免責とは一言でいうと「自己負担分」の事です。
仮に免責3000円と言う契約であれば3000円までの治療費は自己負担になりますという意味です。
1万円の治療費だと3000円を超えた部分の7000円が保険金として払われるので、少額の通院が何度も続いた場合は全く保険金請求できないという事もあり得ます。
保険会社によって免責の設定がある所とない所がありますし、免責ありプランとなしプランの両方があり選べる保険会社もあります。
確かに免責の設定がある方が保険料が安いというメリットはありますが、それを上回るデメリットがあると思うので個人的にはあまりオススメしません。
補償対象外のケースとは?
どの保険会社も「こんな時は補償対象外ですよ」と言うルールを定めており、代表的なものを一部抜粋してまとめました。
- 契約者の故意または重大な過失により生じた傷病
- 待機期間中などの責任開始日より前に生じた傷病
- 地震、噴火、津波など自然災害により生じた傷病
- 責任開始日より前に生じた先天性・遺伝性疾患
- 予防のための費用(ワクチン接種、マイクロチップ装着など)
- ケガ・病気にあたらないもの、免責疾病(交配、妊娠、出産、避妊・去勢手術、爪切り、歯石取り、肛門腺しぼり、てんかんなど)
- 検査費用のみやその他(健康診断、往診・時間外加算分、トリミングなど)
細かい部分を見ていくと保険会社によって若干違いがある部分もありますが大体は同じような内容になっています。
人間の保険は妊娠・出産に係わる治療とか手術は保険の対象になるんですけどね、にゃんこは残念ながらダメみたいです。
賠償責任特約とは?
最後に保険に特約で付けられる賠償に関して結構質問をいただくことが多いのでお伝えしておきます。
犬と比べてにゃんこはそれ程「人に危害を加える可能性」って高くないと思いますが、何かの拍子にビックリして過剰防衛になってしまう事もあります。
そんなに高いものではないですし、実は補償範囲がとても広い保険なので私は必ずオススメしています。
賠償責任特約の必要性
この特約は必要性が高いと思っていますが、にゃんこの保険には付けなくていいと私はアドバイスしています。
理由としては
- 自動車・火災・傷害保険など他の保険に特約として付けられるから
- ペット保険の場合、示談交渉サービスがついていない事が多いから
- 他の保険の方が自転車事故など色々な賠償事故をカバーできるから
と言う事があげられます。
特に二つ目の示談交渉の部分は重要で、ペット保険についている場合は保険会社が相手と交渉してくれないので自分で相手と話をしなくてはいけません。
ですが例えば自動車保険についている「個人賠償責任保険特約」であれば保険会社が相手と直接話してくれるので、すべてお任せできます。
この違いはとても大きいのでにゃんこの保険には特約を付けない事をお勧めします。
猫の保険の基礎的な事のまとめ
「あれ?なんかおかしいな」って言うその日は突然やってきます。
そこからは待ったなしで毎日の様に病院へ通う日々が始まる可能性があるんです。
そんな時に満足な治療を受けさせてあげられないのなら、猫を飼う事を検討している方は待った方が良いかもしれません。
既に飼っている方は保険で金銭的な備えをちゃんとしておいた方が良いと思います。
猫を飼うという事はそういうリスクを抱えるという事なんです。
具体的に保険の内容を比較する場合はこちらの記事も参考にしてみてください。
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