皆さん猫のごはん(キャットフード)はどうやって選んでますか?
「私はこれが理由でこのエサを選んでます!」と即答できる飼い主さんは意外と少ないと思いますし、私も少し前までは選び方をあまり気にしていませんでした。
せいぜい「ペットショップや動物病院で勧められたから」とか「安いから」と言った理由で選んでいる方が大半ではないでしょうか。
でもそれは「それがベストだから」ではなく、「どう選べば良いのか知らないから」という事が一番大きい理由だと思います。
キャットフード選びは後から「失敗したな~」となった時には致命的で手遅れになる事も多いです。
にゃんこの為にも自信をもって選んであげたいですね。
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猫の成長に合わせて選ぶ
猫の年齢によってキャットフードに求められる役割、栄養素などが変わってきます。
にゃんこが何歳なのかと言う観点でどんなごはんが合うのか考えていきましょう。
子猫にあげるごはん
一般的に1歳になると猫の成長は止まると言われていますので、この1歳までの食事は猫の成長を決めるとても重要な時期になってきます。
0~2か月ぐらいまでは母猫と一緒の時は母乳をあげたり、離乳食をあげる事になるので、本格的にキャットフードを与えるのは生後2ヵ月ぐらいからという事になります。
この頃は消化器官もまだ未発達で一度に沢山食べる事ができないので、何度か小分けにして与えるなどの工夫もできると良いと思います。
目安としては生後4か月ぐらいまでは1日4~5回に分けてごはんをあげるのが子猫の負担が少ないと思います。
1歳までの成長期には成長に必要な栄養価の高いフード(高タンパク、高カロリー)が理想的と言われていますので、栄養不足にならない様に選んであげましょう。
成猫にあげるごはん
1~10歳ぐらいまでの成猫の場合は子猫と気を付けるべきポイントが少し変わってきます。
子猫と同じように高タンパク、高カロリーのフードを与え続けると肥満体型になってしまうかもしれませんので様子をちゃんと見てあげましょう。
「1歳になったらすぐ切り替えないと!」と言うような厳密なものではありませんが、「最近ちょっとおっきくなった?」と思ったら高タンパク、低カロリー、低脂質なフードに変えた方が良いかもしれません。
栄養素としてはカルシウム・リン・マグネシウムがバランスよく含まれているフードを選ぶことが、猫がかかりやすい尿路疾患を防ぐことにつながります。
これらの栄養素は多すぎても少なすぎてもよくないのでバランスが大切と言われていて、比率としてはカルシウム:リン:マグネシウム=1.2:1:0.08が理想だそうです。
理由としてはリンとカルシウムは結合して骨の主成分となりますが、カルシウムよりリンの方が多いと足りない分のカルシウムを骨を溶かして得ようとしたり、過剰なリンが尿として出されると同じく尿として出されたマグネシウムとくっついて尿路結石の原因になったりするのです。
シニア猫にあげるごはん
その子によって違いますが大体10歳前後からシニアと言われる老齢期に入ってきます。
それまでと比べると「運動量が少なくなってくる」「免疫力が下がってくる」「筋力が低下してくる」「基礎代謝が落ちてくる」など人間と同じですね。
それに合わせてごはんも質の高いフードにするのが理想的です
例えば食べる量が減ってしまっても十分なタンパク質が取れるように高品質なタンパク質が主となる原料に使われている事。
脂質は必要な栄養素ですが肥満の原因にもなるので15%前後の成分比率が理想的です。
成猫より免疫力も低下してくるので内臓に負担をかける添加物には成猫より更に気を使ってあげたいところです。(添加物はいつでも避けたいですが「更に」という事で)
胃腸への負担を減らすという意味で1日のごはんの回数を3~4回に小分けにしてあげる事も効果的です。
猫の体調で選ぶ
続いて猫のごはんの選び方を体調に合わせて選ぶ場合、どの様なポイントに気を付けてフードを選ぶべきなのか見ていきましょう。
ちゃんと様子を見てあげないと変化に気付いてあげられない事もありますので、普段から体調はチェックしてあげましょう。
便秘・軟便の猫にあげるごはん
例えば2~3日便が出ていない、トイレで長く踏ん張っている、トイレで苦しそうに鳴くなどがあった場合、便秘の可能性があります。
フードが合わない
キャットフードによって含まれている食物繊維の量は様々ですが、食物繊維の量が多すぎると体の中に長くとどまりすぎて便秘を引き起こしてしまう事があります。
運動・水分不足
運動不足で肥満気味だと脂肪が腸を圧迫して便を排出しづらくなったり、水分が足りていないとコロコロウンチで排出しづらくなります。
逆に1日何度も軟便をする、嘔吐を伴う、体重が減っているなどがあった場合、病気やウイルスの可能性があります。
ウイルス・細菌・寄生虫の感染
- ウイルス・・・パルボウイルス、コロナウイルス
- 菌・・・ヒストプラズマ、サルモネラ、クロストリジウム、ピシウム、カンピロバクター
- 寄生虫・・・回虫、瓜実条虫、コクシジウム、トリコモナス、ジアルジア、鉤虫
軟便・下痢の原因の病気
炎症性腸疾患(IBD)、尿毒症、アジソン病、膵外分泌不全症、悪性腫瘍(リンパ腫)、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胆のう障害などがあります。
それ以外にも食べ過ぎやフードを変えた直後など色々な原因がありますので、何が原因なのかを確認しその原因にあったフードに切り替えたり獣医師の指導を受ける事が大切です。
避妊・去勢手術した猫にあげるごはん
避妊や去勢手術をすると生殖器官で使われていたエネルギーが消費されなくなる分、手術前と同じ食事を与えているとカロリーが多すぎて太りやすくなるにゃんこがいます。
全てのにゃんこではないですが術後1か月ほどして体重が増えている場合は、対策を打たないとどんどん肥満になってしまう可能性があるので必要に応じて高タンパク、低脂質、低カロリーなフードに切り替えましょう。
特にオス猫は去勢手術を受けると男性器が小さくなったり成長が止まったりする事で尿道が狭くなり、結石ができると炎症を起こしたり詰まりやすくなったりしますので注意が必要です。
尿路結石のリスクを下げる為にもカルシウム、リン、マグネシウムなどのミネラルバランスにも配慮したフードが理想的です。
ダイエット中の猫にあげるごはん
最近はぽっちゃり猫がブームなのかテレビやネットでよく見かけますが、見るたびにとても可哀そうだなと不憫に感じています。
歩いたり遊んだりできない事も可哀そうですが、それよりも将来的に病気になるリスクがとても高いと思います。
それはさておき肥満気味のにゃんこは、まず適正体重が何キロなのかを確認しましょう。
猫の種類によっても適正体重は違いますが、一部の品種の平均的な体重をまとめてみました。
品種 | オスの標準体重 | メスの標準体重 |
---|---|---|
メインクーン | 6~9kg | 3.5~5.5kg |
スコティッシュフォールド | 3~6kg | 2.5~5kg |
マンチカン | 3~4.5kg | 2.3~3.6kg |
ペルシャ | 3.5~6.3kg | 3~5kg |
アメリカンショートヘア | 4~7kg | 3~6kg |
ラグドール | 5.2~7.3kg | 4.3~5.5kg |
ノルウェージャンフォレスト | 4.5~8kg | 2.8~5.5kg |
これはあくまで一般的な話でそのにゃんこによって骨格の大きい子もいれば小さい子もいるので一つの目安として考えましょう。
そして目安と合わせてBCS(ボディコンディションスコア)と言う方法で肥満度をチェックします。
肥満気味であれば低炭水化物、低脂肪、高食物繊維でカロリーが低く、腹持ちの良いフードにしてあげて様子を見ましょう。
そして猫のダイエットでとても重要なのは家族全員で意思統一する事です。
お母さんは食べさせる量を気を付けていても、娘がおやつをあげていたりすると何の意味もなくなってしまいますよね。
食べたがっているのに食べさせないのは可哀そうと思うかもしれませんが、太ったままでいずれ病気にしてしまう方がもっと可哀そうだと思ってダイエットに取り組みましょう。
ただ急激なダイエットはにゃんこのストレスになるので、ゆっくりと半年~1年ぐらいの時間をかけて見ていくようにしましょう。
猫の食物アレルギーに合わせて選ぶ
猫のごはんの選び方で一番難しいのはアレルギーを持ったにゃんこの場合です。
猫のアレルギーの原因は食物だけではなくノミ・ダニや花粉なども反応が出てしまう事があります。
食物アレルギーの場合、原因となっているのが何かを確認する事が重要です。
アレルギーの症状は?
アレルギーを発症すると下痢や嘔吐、皮膚のかぶれ、脱毛など色々な症状が出ます。
更に皮膚の痒みを放置していると猫が自分で引っ掻いてしまい、その傷が原因で菌に感染し膿皮症になる場合もあるため、症状が軽いうちに早めに対処することが大切です。
アレルギーの原因は?
アレルギーの原因になる可能性があるのは肉類(牛肉、豚肉、鶏肉)、乳製品、卵、小麦、大麦、とうもろこし、添加物など色々です。
これらに含まれるタンパク質が原因となっており、治すためにはその原因物質を摂取しない様にするしかありません。
原因を特定するために可能性のある食材を取り除いた食事を与えて、症状が治まったら元の食事に戻して再発するかをチェックする方法もあります。
原因の特定には時間もかかりますし、獣医師の指導の下で実施するようにしましょう。
アレルギーの猫にオススメのごはん
原因の特定ができたらその食材が入っていないフードに変えて様子を見ますが、その際は交差反応にも気を付けた方が良いです。
交差反応とはタンパク質の構造がよく似たものに反応が出てしまう事で、例えば鶏肉アレルギーの場合は鴨や七面鳥、牛肉の場合はラム肉や牛乳、小麦の場合は大麦やライ麦がそれに該当します。
これらも念の為、摂取しない様にフードを選びましょう。
猫のごはんの失敗しない選び方のまとめ
猫のごはんの選び方ってなかなか難しい問題ですよね。
特にアレルギーに関しては一度発症してしまうと生涯治らないと言われており、飼い主さんにとってもにゃんこにとっても負担が大きいです。
にゃんこが長く元気に過ごせるように考えてあげて欲しいと思いますので、キャットフード選びの参考にしていただければと思います。
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