業界最大手であるアニコム損害保険株式会社ですが、猫の保険の商品内容が本当に良い物なのか気になっている方は多いのではないでしょうか?
商品の細かいところまでしっかり見た時にどこがおすすめポイントなのか?そして良い話ばかりではなく逆に注意しなくてはいけないポイントはないのか?保険を選ぶ時に必要な情報を詳しく解説していきます。
基本的な補償内容
アニコムは「どうぶつ健保ふぁみりぃ」と言うオーソドックスな補償プランが2つと「どうぶつ健保ぷち」と言う通院なしプラン、そして2019年9月17日に新たに発売された「どうぶつ健保しにあ」の補償プランが2つ加わり全部で5種類の選択肢があります。
アニコムならではの窓口精算やLINEでの保険金請求などシステム的な他社との差別化も特徴的です。
補償プラン
5つのプランの補償内容はこの様になっています。
ふぁみりぃ 70%プラン |
ふぁみりぃ 50%プラン |
ぷち 70%プラン |
しにあ 70%プラン |
しにあ 50%プラン |
|
---|---|---|---|---|---|
通院 | 1日あたり 1.4万円まで 年20日まで |
1日あたり 1万円まで 20日まで |
通院補償なし | 通院補償なし | 通院補償なし |
入院 | 1日あたり 1.4万円まで 年20日まで |
1日あたり 1万円まで 20日まで |
1日あたり 1.4万円まで 年20日まで |
1日あたり 1.4万円まで 年20日まで |
1日あたり 1万円まで 年20日まで |
手術 | 1回あたり 14万円まで 年2回まで |
1回あたり 10万円まで 年2回まで |
1回あたり 50万円まで 年2回まで |
1回あたり 14万円まで 年2回まで |
1回あたり 10万円まで 年2回まで |
一番猫の保険で使用頻度の高い通院補償がない「ぷち」は個人的にはオススメできません。
補償が薄い分、保険料も割安ですがそれよりもデメリットの方が大きいと思うのでふぁみりぃプランから選ぶようにしましょう。
以前は限度日数のないワイドタイプと言うプランもありましたが、現在は売り止めになってしまって新規に加入はできなくなってしまいました。
人気だったけど保険会社としてはきっとリスクが高いんでしょうね~。残念。
そして注目は日本初のシニア専用保険である「どうぶつ健保しにあ」です。
アニコムは通常7歳までしか加入ができないですし、他の保険会社を見ても加入年齢の上限が決まっているのが一般的です。
補償内容は「ぷち」と同じ様に通院が対象外になってしまいますが新たな選択肢として需要はあると思います。
「どうぶつ健保しにあ」についてはコチラで詳しくまとめてあります。
その他の条件
商品 | しにあ以外 | しにあ |
---|---|---|
新規の申込み 限度年齢 |
7歳11か月まで | 8歳以上 上限なし |
加入してから補償開始 までの待機期間 |
ケガなし 病気は30日間 |
ケガなし 病気は30日間 |
更新可能年齢 | 終身 | 終身 |
免責 | なし | なし |
手術の 保険金請求 |
手術内容証明書 が必要 |
手術内容証明書 が必要 |
その他の条件を見てもオーソドックスでそれほど気になる所はないですが、窓口精算しない場合は手術の内容証明書が必要となり費用が掛かるので必須としているところはマイナスポイントですね。
割引について
- 多頭割引・・・2頭目以降の契約に対して適用します月払50円引き、年払600円引き※1頭目の契約は適用外
- 健康割増引・・・保険の利用状況によって割増引きを適用します0回/10%割引、1~5回/5%割引、6~19回/割増引きなし、20~39回/20%割増、40回以上/50%割増
アニコムで適用できる割引は2つで、今回ご紹介している17社の中で割増のルールがあるのは唯一アニコムだけです。
支払いが多く収支の合わない契約を更新謝絶にしてしまう保険会社が多い中で、割増をもらっても契約が残せるようにと言う意味だとは思いますが・・・。
更新謝絶、割増のどちらもない猫の保険もあるだけにちょっと微妙ですね。
割増引率と判定期間については以下のとおりです。
通院・入院日数/手術回数 | 割増引率 |
---|---|
0回 | 10%割引 |
1~5回 | 5%割引 |
6~19回 | 割増引なし |
20~39回 | 20%割増 |
40回以上 | 50%割増 |
【回数のカウント方法】
●対応病院の窓口で精算した場合:保険を利用した診療日
●弊社へ直接保険金を請求した場合:アニコムで請求を受付けた日が判定期間に含まれている場合、通院1日、入院1日、手術1回をそれぞれ1回としてカウント。
※例1 入院2泊3日の間に手術1回となった場合は、4回とカウントします。
※例2 同日に2回通院した場合は、1回とカウントします。
特約やその他のサービス
- ペット賠償責任特約・・・他人や他の動物に怪我をさせた、物を壊した場合の補償ですがアニコムは示談交渉サービスがついていないので他の保険につけた方が無難です
- 窓口精算・・・対応病院で保険金請求、それ以外の病院もLINEで保険金請求が出来るので手続きが簡単
- LINE相談・・・獣医に病気の予防やしつけ、ごはんなど色々な事をLINEで気軽に相談できる窓口
- 腸内フローラ測定・・・「便」を送ると測定してくれて、その結果で健康診断がオススメと判断された場合は、指定病院で健康診断が無料で受信できるサービス
- 迷子捜索サービス・・・契約している猫が何かの拍子にいなくなってしまった場合、迷子捜索を専門に行うペット探偵がかけつけるサービス。3日間の捜索料金と出張料が無料になります。提携業者「ジャパンロストペットレスキュー(JLPR)」
17社中3社しか対応していない窓口精算はやはり魅力ですが、その為に保険料が高くなっているという見方もあります。
2019年5月から迷子猫の捜索サービスが開始になりました。Twitter等でも毎日の様に迷子猫のツイートを見ますので需要のあるサービスかもしれません。
他社には無い色々なサービスがあるので保険料か利便性かどちらを優先するかですね。
病気への対応
この項目は猫の保険を選ぶ上でとても重要な項目だと思いますので特に詳しく見ていきます。
保険加入ができない病気は?
ほとんどの保険会社は公平性を保つ為に「持病がある場合は保険の加入ができない病気」を設定していて、ホームページや約款などに明記しています。
この病気の種類が少なければ持病があっても加入がしやすい保険会社と言えると思いますが、アニコムの場合は次のようになっています。
・悪性腫瘍(がん)
・慢性腎不全
・糖尿病
・肝硬変(肝繊維症)
・副腎皮質機能低下症(アジソン病)
・副腎皮質機能亢進症(クッシング病)
・甲状腺疾患
・免疫介在性血小板減少症
・免疫介在性溶血性貧血
・巨大結腸症
・巨大食道症(食道拡張症)
・膵外分泌不全
・猫伝染性腹膜炎(FIP)
・猫白血病ウイルス感染症(FeLV)
アニコムは14種類の病気が明記されていますが、他社と比べるとかなり少ないので持病があっても加入しやすい保険会社と言えます。
慢性疾患への対応は?
慢性腎不全などの慢性疾患にかかってしまった場合の対応ですが、アニコムは更新時に特定の病気が不担保になるような条件は付かないとの回答でした。
更新謝絶もないとの事で安心して保険を使う事ができそうです。
給付日数や回数に到達してしまった場合も、契約は失効せず残るので保険年度が変わればまた保険を使う事が可能です。
先天性・遺伝性疾患への対応は?
先天性・遺伝性疾患は契約の始期日より前や待機期間中に発症した場合は対象外ですが、それよりも後であれば補償対象になります。
対象外とする保険会社も多い部分だけに安心できる対応ですね。
病名がつかない場合の対応は?
例えば食欲がなく、ぐったりしているなどで病院で診察してもらった際に、特に診断名はないが点滴だけ打ってもらうなど処置はしている状況もあると思います。
このようなケースでアニコムは症状があって病院で治療行為を受けている場合は、特に診断名が無くても補償の対象になるとの事でした。
各プランの保険料
猫の保険を検討する上で重要な項目の一つである保険料です。
どれだけいい保険でも支払いが負担になる程の高い保険料であれば、なかなかいい保険とは言えないですよね?
他の保険会社の同等プランで比較した時の順位と、16歳までの保険料を合計したものはこの様になっています。
補償重視プラン・・・17社中12位 合計保険料・・・912240円
保険料重視プラン・・・17社中12位 合計保険料・・・666600円
保険料グラフ
アニコムの保険料はやはり10歳以降の値上がりが気になる所ですね。
「しにあ」の保険料は70%プランが「ぷち」とほぼ同じ保険料となっていますね。
アニコムの猫の保険のまとめ
全体的な印象としては保険料よりも補償内容や大手の安心感を前面に出した内容で、本当に困った時にもちゃんと使える保険だと思います。
ただ色々なサービスもあるが故に保険料がやはりお高めです。
高齢期の保険料も確認したうえで許容範囲内であれば選択肢に入れて良いと思います。
そして私個人としては新たに加わった「しにあ」は今後かなり需要が見込まれるんじゃないかなと思っています。
総合的に見てアニコムは私のオススメの猫の保険の一つです。
- 豊富なプランの選択肢
- 慢性疾患など重要なところはしっかり補償
- 高めの保険料や割増
- 手術の請求書類
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