猫の保険の中には「窓口精算」できるものがいくつかあります。
とても便利な仕組みでメリットもあるのですが、逆にデメリットもあるという事はあまり知られていません。
以前、動物病院で働いていた事がある友達から聞いた話なので、すべての動物病院に当てはまる話ではないです。
でも便利な仕組みの裏側にはこういったリスクがあるかもしれないという事を知っておいて損はないと思います。
この記事は「猫の保険を検討中の方」や「窓口精算って何?と言う方」に参考にしていただけると思います。
猫の保険の窓口精算とは?
人間が病院で治療を受けた時は公的医療保険が適用され3割の自己負担分を窓口で支払い精算します。
一部の猫の保険でもこれと同じ様に動物病院の窓口で保険が適用され、自己負担分のみを支払って精算できる保険があります。
詳しく内容を見ていきましょう。
窓口精算とは?
窓口精算が可能な猫の保険に加入し、窓口精算が可能な動物病院を受診した場合は最初に窓口で保険会社が発行した保険証を提示します。
すると加入している保険の補償分を差し引いた自己負担分のみの支払いで精算する事ができます。
窓口精算ではない場合は病院で治療を受けた時に治療費を全額支払い、そこで受取った領収証や診療明細書などを保険会社に提出し保険金を受取るという流れです。
この場合は基本的に郵送でのやり取りになるので保険金が受取れるまでにちょっと時間がかかってしまいます。
窓口精算が可能な保険は?
では窓口精算ができる保険会社はどこなのか?
・アニコム
・アイペット
このサイトでご紹介している17社の中で現在はこの2社のみです。
猫の保険で窓口精算できる保険会社が少ない理由は、窓口精算の仕組みを導入するには大きなコストがかかる事が原因だと思います。
窓口精算が可能な病院は?
続いて窓口精算に対応している病院はどれだけあるのでしょうか?
保険会社によって対応している提携病院の数は随分違っていて知名度とリンクしている状況です。
アニコムで6000病院以上、アイペットで4000病院以上の提携病院があり今も増えている状況です。
最新の提携病院は下記のリンクから確認できます。
アニコムはさすが業界最大手らしく提携病院数もダントツで多いですね。
窓口精算のメリットとは?
窓口精算ができる保険に加入しているとどの様なメリットがあるのでしょうか?
メリットに関しては色々なサイトで取り上げられているのでご存知の方も多いと思いますが再確認してみましょう。
手続きが簡単
窓口精算の場合は保険証を提示するだけで保険が適用になり、自己負担分を支払うだけなので面倒な手続きがありません。
郵送する手間もないし、不備があって書類を書き直すような事もありません。
猫の保険は「診療日から◯◯日以内」と保険金請求できる期限が決まっているものが多く、忘れていて期限が過ぎてしまうと保険金請求できなくなってしまう事があるかもしれません。
窓口精算であればその様な心配はなくなりますね。
一時的な支出を抑えられる
通常は病院の窓口で治療費の全額を支払い、後で保険会社に保険金請求するという流れなので一時的に立替えしなくてはいけません。
数万円の話であればまだ良いのですが、入院や手術となると10万円を超える支払いを一度にしなくてはいけない場合もあるかもしれません。
後で戻ってくるとはいえ金額が大きくなってくると結構大変ですよね。
これも窓口精算であれば解決できる問題です。
診断書が不要に
メリットの3つ目は診断書についてです。
治療内容によっては保険金請求する際に診断書が必要になるケースがあります。
手術した場合に必要になる事が多いのですが、動物病院で診断書を作ってもらうと有料になります。
金額は病院によってまちまちですが大体1~5千円ぐらいの所が多いようです。
ただ窓口精算の場合はどの様な手術をしたのかを把握している動物病院が、保険金の請求手続きもしますので保険会社への診断書の提出が不要になります。
手術を受ける事はそれほど多くないと思いますが、診断書料が補償対象外の保険会社が多いので費用がかからなくなるのは嬉しいメリットですよね。
窓口精算のデメリットとは?
では逆に窓口精算できる事で何かデメリットがあるのでしょうか?
あまり知られていない話だと思いますが、私がこの話を聞いた時は「言われてみればそりゃそうだよな~」と妙に納得しちゃいました。
詳しく見ていきましょう。
コスト増~システム編~
窓口精算の仕組みを導入するには色々なコストがかかりますが、その内の一つがシステムを開発する費用です。
保険証を提示された動物病院は保険会社のシステムにアクセスして、今現在も契約は有効なのか?どの様な補償内容に加入しているのか?などを確認しなくてはいけません。
保険を請求できる回数の制限がある場合が多いので、そういった情報も管理しなくてはいけません。
この様なシステムの開発にはとてもお金がかかるので、これがまわりまわって保険料に上乗せされ最終的に契約者が負担する事になります。
コスト増~教育編~
2つ目のコストとしては動物病院への教育があります。
通常は保険会社に保険金請求に必要な書類を送って、それを見た保険会社が保険金を支払うかどうかを判断します。
ただ窓口精算の場合は保険会社が状況を把握する前に、動物病院が保険金請求できる状況かどうかを判断して精算を済ませる事になります。
ですから保険会社は動物病院と提携する際に、自社の保険の内容をしっかり把握してもらい、その後変更があった時もすべての提携病院に周知しなくてはいけないのです。
この様な作業にかかる費用も最終的には保険料に上乗せされる事になります。
コスト増~営業編~
3つ目のコストは営業や広告にかかる費用です。
窓口精算できる仕組みは対象となる提携動物病院の数がある程度多くないとお客さんへのPR度が下がってしまいます。
ですので保険会社としてはできるだけ多くの提携病院を作りたいので、提携病院を増やす為の人員を用意し広告もだしてサービスを拡大しているのです。
これもやはり保険料に上乗せされてしまうコストになってきます。
過剰診療
最後のデメリットは過剰診療です。
窓口精算の場合は最初に受付で保険証を提示するので、このペットは保険にしっかり加入しているのかどうかを動物病院が把握する事ができます。
保険に加入している場合は仮に高額な手術をしても、高額な薬を使っても大部分が保険で賄われるので飼い主の金銭的な負担が少なくなります。
「あそこの動物病院は高い」と言う評判が広まってしまうのは避けたいので、保険に加入しているかわからない場合は飼い主のお財布にも配慮した治療を選択する事が多いとの事。
つまり窓口精算の場合は高額な薬の投与をできるだけ避けるとか、しなくても良い手術はできるだけしないと言った選択が「されないリスク」があるという事です。
素人である飼い主には過剰診療かどうかはよくわからないですからね。
繰り返しますがこれはすべての動物病院で当てはまる話ではないのですが、一部の動物病院では実際にあった話のようです。
猫の保険の窓口精算とは?便利な仕組みの裏にはリスクがあるかも?のまとめ
今回は窓口精算はとても便利な仕組みですがその裏側にはリスクがある可能性を秘めているという裏話でした。
仮に窓口精算ができない保険会社に加入していても、そのデメリットをカバーする方法はあります。
例えば動物病院での支払いをクレジットカードで支払えば、その場で現金で立替える必要がなく、更にクレジットカードの引き落とし前に保険会社への保険金請求ができるかもしれません。
その場合はクレジットカードのポイントも付くと思いますので治療費の足しになるかもしれませんね。
窓口精算できる事が猫の保険を選ぶ際の絶対条件と考えている方がいた場合は、ちょっと考え直してみた方が良いかもしれませんね。
因みに私が猫の保険を選んだ時はこんな風に考えて選びました。
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