猫がゴロゴロと喉を鳴らしているのには理由があるそうです。
あなたのうちの猫はゴロゴロ?グルグル?ブーブー?どんな音でしょうか?
あのゴロゴロ音を聞いているとホッコリして癒されるのは私だけではないと思いますが、どうやって鳴らしているのか?なぜ鳴らしているのか?謎が多い所でもあります。
猫を飼っていると毎日の生活の中で日常的に聞いている音ですが実は「謎深い」そんな猫のゴロゴロについてお伝えしていきます。
猫のゴロゴロのメカニズム
のっけから申し訳ないんですが色々な説があって実はよく分っていません。
一番スタンダードなのは喉頭(人間のノド仏の部分)の筋肉が収縮して『声門』(2つの声帯の間にある隙間の事)を開閉させ、そこを通る空気を震わせる事で鳴っていると言う説でした。
ただ喉頭を切開された猫が横隔膜を使ってゴロゴロと鳴らしたと言う報告もあったりします。
他にも首の静脈の血流の振動音じゃないかとか様々です。
どうやって鳴らしているのかはね・・・・ナイショ♪
すごく身近な音なのに謎に包まれているってのもちょっと面白いですよね。
ゴロゴロは猫固有のものなのか?
ではこのゴロゴロ音ですが猫しか鳴らせないのでしょうか?
実は他のネコ科の動物でも鳴らせる動物がいます。
それは「ピューマ」「チーター」「サーバルキャット」「オオヤマネコ」などはゴロゴロと喉を鳴らす事が確認されています。
ちょっと怖い大型動物でもゴロゴロいっている所を見ると可愛く見えてくるかもしれませんね。
同じネコ科なのに・・・
ただ同じネコ科の動物でもゴロゴロ鳴らさない動物もいます。
それはヒョウ亜科に分類される動物で「ライオン」「トラ」「ジャガー」「ヒョウ」などはゴロゴロ音が確認されていないんです。
これらの動物はゴロゴロ鳴らさない代わりに「ガォー」と吼えるので、どちらか一択しか選べないんじゃないかと言う説もあります。
私も「ガォー」を選ぼうかしら・・・。
本当はゴロゴロ鳴らせるのに鳴らしていないだけとかコチラも色々な説があって、まだまだ解明できていない事が多いんです。
猫がゴロゴロ鳴らす理由とは?
次に猫がゴロゴロと喉を鳴らす理由やシチュエーションを考えていきましょう。
ゴロゴロと一言で言ってもそこに込められた猫の気持ちは様々で、それによって微妙に音の聞こえ方も違ったりします。
聞き分ける事ができれば「猫の気持ち」を知る事が出来るかもしれません。
スマイルゴロゴロ
まず一番聞く機会の多いゴロゴロがこのスマイルゴロゴロだと思います。
大好きな飼い主さんのそばでリラックスしている時や、出かけていた飼い主さんが帰ってきた時などに「ニコッ」としているイメージですね。
ご飯が欲しい時のゴロゴロ音は普段よりもちょっと高い周波数で220〜520Hzであったと最近の研究で発表されています。
コミュニケーションゴロゴロ
次は母猫と子猫のコミュニケーションの時に鳴らされるゴロゴロ音です。
生まれたばかりの子猫はまだ目も開いていないですし耳もそれほど聞こえていませんが、そんな時でも母猫のゴロゴロを振動として感じる事ができるんですね。
生まれて数日経つと子猫もゴロゴロ音を鳴らせるようになるので、自分が元気だよって事を母猫に伝えたり甘えたりする時に鳴らします。
ピンチゴロゴロ
猫がゴロゴロと喉を鳴らすのは良い場面ばかりとは限りません。
知らない場所や病院に行ったりして緊張状態になっている時や怪我をした時、分娩時、そして死の直前にもゴロゴロと喉を鳴らすケースが確認されています。
この様に精神的や肉体的なピンチの時にも鳴らすゴロゴロ音ですが、何故そんな時にも鳴らすのかと言う理由はその秘められた効果にあります。
猫のゴロゴロの意外な効果とは?
医療の世界では骨折した部位に低周波の超音波を当てる事で骨折の治りが早くなると言う事が分かっています。
難しい事は分かりませんが超音波が骨の再生を刺激する為と言われていて、猫の骨折の治りが早い理由はこのゴロゴロ音が回復を早めているからと言われています。
猫のゴロゴロ音の周波数は25〜150Hz程度と言われていて、このゴロゴロ音の考え方が人間の健康にも良い影響を及ぼしています。
人間の骨折治療にも活用
実際に人間の医療で骨折の治癒に使われる超音波装置の場合は100万〜300万Hz以上です。
猫のゴロゴロ音と比べるとかなり高い周波数ですが、このぐらいの周波数の超音波を骨折部位に当てて治癒促進効果があると確認されているようです。
最近では「アニマルセラピー」や「セラピーキャット」と言う言葉もだいぶ認知されてきていますが、癒しの効果があるのもゴロゴロ音と関連があるんじゃないかと私は思います。
まとめ:耳を澄ましてゴロゴロを聞いてみよう
先程、猫のゴロゴロ音の周波数は25〜150Hz程度とお伝えしましたが人間の耳が聞き取れる周波数の範囲は大体20〜20000Hz、猫が聞き取れる周波数は人間より高くて大体45〜65000Hzといわれています。
という事はゴロゴロ音はかなり低音の音なので猫には聞き取りにくかったり聞こえていなかったりするって事になります。
是非飼っている猫がゴロゴロと喉を鳴らしていたら耳を澄まして聞いてみて下さい。
猫の気持ちが分かるかもしれませんよ。
【参考文献】Current Biology Volume 19, Issue 13 「The cry embedded within the purr」
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